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耐久性 吸水 速乾 SR 仕上剤

   
1. 緒言

ポリエステル繊維を始めとする合成繊維が親水性、 特に耐洗濯性の吸水吸汗性能を持てば、 その用途適合は益々広くなる。

一方、 元来、 吸水性の良いセルロース繊維でも近年は複雑な仕上浴組成を使用するため、 [ex) fix 剤、 樹脂柔軟剤など] 親水性が阻害されて、 撥水性になることが非常に多いのである。

親水性 (吸水、 吸汗性) がすぐれることは、 かなり広い用途に亘る繊維素材、 ニット、 織物、 産業資材迄、 その用途は拡大される。 例を挙げれば、 一般のギンガム・シャツ他、 寝装、 ニット地、 タオル地、 スポーツ着、 カジュアル着、 靴下類、 ナプキン、 シーツ、 テーブルクロス等である。

その上、 親水性を耐久的にして繰返しの家庭洗濯でも性能低下が起りにくい耐洗タイプにすることと、 油性汚れを付きにくく、 又、 付いた汚れは洗濯で落ち易くなるSR性も兼ねたタイプの "耐久性吸水速乾SR仕上剤" として使用出来れば、 より広い用途において、 実用性に富む商品となるであろう。

油性の汚れに関しては、 古くより撥水撥油のSRを考える場合は、 含フッ素系ポリマーが主流であって、 油性汚れを付きにくくする作用をSR (Soil-Release) とするのであるが、 どちらかと云えば Soil-Repellent, Proofing, Guard, Resistance の意味が大である。

Soil-Release (SR) とは元来、 疎水性の強いポリエステル繊維を若干親水性にして、 特に油性の汚れ、 油性垢の付着を防止し、 又汚れても落ち易い状態にする Oil-Release 性の表面処理加工をいうのである。

疎水性が強いと帯電傾向も強くなり、 汚れの沈積も多くなり、 黒ずんで来る。 又、 油性汚れも強く付着し、 なかなか除去、 脱落、 洗浄は困難となってしまう。

この様な点で、 充分親水性表面にすれば、

●吸水・吸汗性。
●油汚れ除去、 SR性の向上、 油汚れの除去され易い状態つまりOR性の向上。
●制電・帯電防止能の強化。

等は有利になってくる。

吸水性SRとなると、 フッ素ポリマー以外の種々のポリマー、 化合物の適用も幅広く考慮すればよい。 油性汚れでも種類が多く、 油性度にも強~弱があるため、 油性汚れの落ち易さの度合も相違して来る。

そのため今後その適用に当っては、 いくつものタイプの親水性防汚剤を考える必要がある。

本稿では、 以上の様な用途を目的とした当社独特の開発商品2点をここに紹介する。

クインスタット NW-E conc
ポリエステル繊維用耐洗吸水速乾防汚・SR (OR) 兼ソフナー

クインセット PSO-5500
綿、 ポリエステル全繊維共通適用の耐久性吸水制電、 SR、 親水性向上剤

この2点の特性比較を第1表に示す。

この様な商品の開発に当っては、 仕上剤ポリマーを中心に考慮するものであるが、 オイル・リペレント成分とオイル・リリース成分をどの様な化学構造成分から取り上げるかも重要であり、 主鎖グループを出来る限り、 親水性の主鎖に、 又、 共重合や結合反応させるグループも出来るだけ親水性グループから選び、 更に吸水基、 架橋基の導入も考慮し、 この様にして形成される機能性グループ (ポリマー) が、 更に繊維素材との強力な架橋、 或いは接着の強化になる様、 設定する必要がある。

この様な視点より、 これらを整理しながら、 筆者の試案を、 次の2.において簡単に解説する。

 
2. 耐久性親水SR剤の概略

第1図 耐久性吸水SR剤の構成例
第1図

試案を第1図に示す。 先ずポリマーの骨格である主鎖構造として、
ビニル基、 吸水性シリコーン、 イソシアネート (ウレタン)、 ポリエステルポリマー、 ポリアミド、 フッ素含有ポリマー、 エポキシ基、 等を選び、 その主鎖構造を出来るだけ親水性のものとする。 その骨格に更に親水グループを結合、 反応、 或いは組合せ、 その場合、 架橋基とか親水保湿成分も充分利用することは有効である。

親水性成分、 親水グループは一般的には、 エチレングリコール、 ジ, トリエチレングリコール、 アルキレンオキサイドポリマー、 PEG、 PPG、 PEG ブロックポリマー、 ポリエーテル、 グリセリン、 ソルビット等。
架橋基も兼ねて使用する目的ならば、 各両末端をビニル基、 グリシジル基、 アリール基になった形で適用する。
保湿剤としてよく使用されるのは、 スクワラン、 キトサン、 ヒアルロン酸、 コラーゲン、 セリシン、 天然プロテイン、 セルロース、 糊料等である。

○第1図の親水性ビニルポリマーを先ず取上げる。
アクリル酸コポリマーとしても親水基を種々導入出来る例を第2図の1に示しているので色々と考案は出来る。
耐久性も付けられ、 又、 汚れも、 かなり落ち易い状態になるであろう。
かなり古くから、 実施されて来た汚れ防止技術の基本となるベース・ケミカルである。

○反応性基を持つ吸水性シリコーンは既にその構造自身、 架橋性と親水性を持ち、 更にソフト風合も兼ねる。 又、 別の親水グループと架橋させることも出来、 耐久性、 吸水加工剤、 SR剤として利用価値は大である。 図1と図2のを参照。

第2図 耐久性吸水SR剤の具体例
第2図

○ジイソシアネートにエーテル化物、 ポリエーテル、 アルコオキシル化物を組合わせて、 親水性の高いポリウレタンを作る。
親水性グループ、 ウレタン架橋で耐久性の強いポリマーの形成も可能であり、 又、 図2の4に示した様なフッ素アルコール等を結合させることも出来、 又、 親水性ビニルグループを共重合させることも出来、 非常に興味多い架橋性ポリマーである。

○親水性ポリエステルレジンポリマー骨格は、 ポリエステル繊維に最も良く融着する親和性のポリマーである故、 PEG 等の親水性をかなり強化したポリマーとして、 ポリエステル繊維用耐洗吸水SR剤の代表的ベースとして利用されるものであるが、 最近では図1及び図2のに見られる様に、 メラミン、 カチオン性シリコーン、 ブロック・イソシアネートや親水グループ化合物の結合、 混合により、 一層高機能性の複合体として利用される様である。

○フッ素系グループは基本的にはアクリル、 メタアクリル酸系ビニル基をベースにしているため、 図1及び図2のの様に、

●ジイソシアネート (ウレタン付加物)
●親水性グループ (架橋基をもつ PEG)
●アクリレート、 塩化ビニリデン

等とのコポリマーにすることも多く、 又、 フッ素アルコール、 アマイドとPEG、 或いは架橋性レジンポリマーで接着性を強化する等の方法もあり、 その結果、 親水性からオイル・リリースを、 フッ素グループ鎖からオイル・リペレントを得ることが出来る点で非常に利用価値は大である。

○ポリアミドポリマー、 エポキシポリマーは、

●カルボン酸を利用しての親水グループの導入
●架橋剤としてエポキシ基の利用
●機能性ポリマーとの共重合
●相互架橋利用

等の巾広い応用 (主として架橋結合) に便利に利用出来るポリマーグループである。

以上の諸概観は全体を表面的ではあるが、 基本的重要点は充分表記している。 図1、 図2のこれら内容を充分参考にしながら、 当社も長年種々研究データーを積ね、 開発した商品の説明を次の3.及び4.において述べる。

 
3. クインスタット NW-E concについて

本品はポリエステル繊維用の耐洗濯性の吸水速乾、 防汚、 SR兼柔軟剤である。

ポリエステル繊維及びその混紡繊維の耐久性ある親水化は、 耐久性制電、 帯電防止性能の発揮と共に、 油汚れも除去し易くなり、 すぐれたオイル・リリース性能が得られることになる。 本品は又、 この様なSR性の他、 更に柔軟剤としても働くため、 ポリエステル繊維を一層、 多機能性にする高級仕上剤である。

撥水、 撥油、 SR仕上の場合とは用途、 適用分野も異り、 前述の各用途に見られる如く、 相当広範囲に亘っての応用が可能となる。

本品は、 ポリエステル繊維に強い接着性、 密着性を持つ親水性ポリマーであり、 処理布の性能は洗濯10回後も低下しない。 要約すれば PET、 E/C、 E/R繊維素材に対して、

(1)耐久性吸水、 速乾性とSR性、 洗濯で油汚れを容易に落とすOR性
(2)親水性、 制電性、 帯電防止性
(3)ソフト風合と平滑、 柔軟性
(4)耐洗濯性は極めて強いので、 家庭洗濯での性能劣化は極めて少ない。

パッド→ドライ→キュアー (150℃~180℃×30sec.) で処理することにより、 繊維上に強力な耐久性フィルムを形成する。

油性の汚れとは、 重油、 機械油、 グリース、 ラー油、 バター、 マヨネーズ、 ケチャップ、 サラダ油、 口紅等を指し、 なかなか除去困難なものであるが、 クインスタット NW-E 処理生地は、 洗濯すれば簡単容易に脱落洗浄出来、その効果は繰り返し洗濯後も低下することはない(OR性)。

第2表にクインスタット NW-E の特長、 効果と諸物性 (外観、 pH、 イオン性) 並びに使用法をまとめて表示する。

第2表 特長・性能・物性・使用法
第2表

 

他薬剤との併用性も容易であり、 黄変変色もなく、 又、 染色諸堅牢度を劣化させる要因も殆どない非常に使い易い仕上剤である。

第3図は NW-E 処理布の吸水性 (10分間で150mm) と油除去性能を示したもので、 3%sol で pad→dry したポリエステル・トロピカル布のこの性能は洗濯前の初期も洗濯1洗→5洗→10洗後の布も余り変りなく、

 

備考: 家庭用洗剤…1.5g/L
45℃×5分
水洗-脱水-乾燥を洗濯1洗 (1回) とする。

○吸水性は初期150 mm (10分間)、 10洗後130mm (10分間) であり、

○油除去性は初期 (100) に対し、 10洗後 (90) で耐久性のあるOR性能を示している。

未処理布の場合、吸水性、油除去性共極めて低く、 NW-E のすぐれた性能は高く評価されている。

第3図 クインスタット NW-E処理布の性能<<耐洗性の吸水性・油除去性能>>

次に写真1であるが、 NW-E…3% sol パッド→ドライ→キュアー (180℃×30秒) の処理布 (ポリエステル繊維) を用意し、 家庭洗濯0回と10回後にその吸水性を見るため、 染料液吸収、 吸上げ距離 (cm)/10分間で測定したものである。

未処理布は殆ど吸水性を持たないが、 処理布は10洗後も著しく多大の吸水力を持つことが判る。

写真1 QUEENSTAT処理布と未処理布の洗濯前後の吸水性比較
写真1

 
4. クインセットPSO-5500について

本品は綿、 セルロース繊維及び合繊 (ポリエステル、 ナイロン、 アクリル等)、 混紡、 交織品を含む全繊維素材全般に共通して、 有効に機能する耐洗濯性の吸水性向上剤である。

合成繊維に対する耐久性吸水制電加工や、各種天然繊維に対して、 撥水を伴う各種薬剤、 仕上剤 (ex) 樹脂、 カチオン活性剤、 柔軟剤、 シリコーンソフナー、 Fix 剤との併用処理により、 撥水性の低減、 及び吸水性の改善向上、 浸透性の付与向上に有効となる。 更に、 その他、 耐久性のある高吸水、 吸汗加工を必要とされる各種仕上加工にも適用出来る。 

①耐洗濯性、 耐DC性にすぐれ、 黄変や変色なく堅牢度の低下がない。
②各種樹脂、 触媒、 蛍光染料、 仕上剤との相溶性にすぐれ、 処理浴の安定性も良好である。
③強力な吸水性の付与により、 油に対する防汚、 油汚れの除去 (SR、 OR) を容易にさせる特長を持つ。
④ソフトな風合いを付与する。

第2表に PSO-5500の特長、 物性、 並びにその使用法を要約表示する。

吸水性を評価するに当っては、 次の2つを見る必要があり、 即ち、 

●水吸収の速度が速い~遅い (吸水速度) (秒)
●一定の時間内でどの程度水分を吸うか (吸水量)

水吸収速度も重要で、 繊維表面上に乗せた水滴が吸収されるまでの秒数を測定して容易に判断出来る。

第4図においては、 クインセット PSO-5500を PET、綿、 E/C混布に夫々pad→dry→cure を行ない、 初期吸水速度と50℃×30分洗濯後 (乾燥) の吸水速度を比較したものである。

第4図 クインセットPSO-5500の繊維別吸水速度
第4図

 

未処理では殆ど吸水性のない生地でも、 PSO-5500での処理後では、 初期は殆ど瞬時 (0秒) ~数秒以内。 洗濯後は若干劣るが、 綿では0秒、 合繊で50秒程度であり、 他社製品との比較においても極めてすぐれた性能を示している。

図において綿ブロードの場合、 Rf併用としているのは、 樹脂加工仕上げ浴併用の意味 (グリオキザール樹脂10%+触媒3%) である。

第5図は PSO-5500処理布を布の下端から一定時間 (10分間) で水吸上げの距離 (cm) を測り、 吸水力の表示をしたものである。

第5図 QUEENSET PSO-5500 耐洗性の吸水性能 第5図

 

綿布は樹脂加工 (Rf:グリオキザールレジン10%+触媒3%:パッド→ドライ→キュアー) を行なうと、 吸水性は低下する。

この場合 PSO-5500…3%添加の樹脂加工併用浴での結果は、 吸水性は著しく向上し、 洗濯5回後も同じくすぐれた吸水性能を保持している。

これはポリエステル繊維にも同様の効果を与えるもので、 この図では PSO-5500…3%の単独処理の結果を示している。 ポリエステル繊維未処理布の極めて低いレベルの吸水性を、 PSO-5500の処理によって、 著しく高吸水性に改良しており、 5回後も全く性能の低下は見られないのである。

 
5. まとめ

耐洗型親水性、 吸水、 速乾、 SR仕上処理剤の基本となる技術的な要因を、 その素材構成から具体例まで概観し、 当社商品2点について、 その特長あるデーターを紹介説明した。

適用用途が増大すれば、 それだけ汎用品となる故、 先ず経済的、 価格的に安価で作れるタイプの組成構造を必要とするであろう。

広範囲のSR適用機能を充分カバー出来ることが容易でなければ、 限定機能を対象に考えるのも一法である。

この用途分野の拡大と共に、 益々技術開発の進展を期待するものである。

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